通りすがりの読者の皆さんこんにちは。冬の支度は間に合いましたか?
今年は思ったよりも秋を長く楽しめた気がする一方で、気づけばもう12月で、突然冬が訪れてきたような気分です。今年を振り返る頃にはもう来年を迎えそうですね。
さて、2025年は終わりに向かっていますが、この連載は始まったばかりです。そこで今日は連載タイトルに込めた想いについてお話したいと思います。
その前に皆さんは〈フレイル〉という言葉をご存知でしょうか?フレイルとは、加齢に伴う心身の虚弱化を意味し、その要因には筋力低下といった身体的な理由のみならず、心理・精神的な理由や、孤独といった社会的な理由も含まれます(フレイルについては動画でも解説してみたので興味がある方はぜひご覧になってみてください)。
健康的な生活を過ごすためには、心と体が大切であることは言わずもがなですが、それと同じくらいに社会的な繋がりも非常に大切であることを、声を大にしてこの壁新聞から呼びかけたいです。
「人と人との繋がりって、やっぱり大切!」
一方で、スマホ時代とも呼ばれるこの情報社会において、常時インターネットを介したコミュニケーションが途切れない人もいます。とある本では、そんな状態を(若い世代では特に)孤独や孤立を失っている状態であると指摘しています。孤独を感じる暇も、ひとりで物思いにふける隙間もない生活のことです。
ネット社会と常に繋がっている状態は、スマホの中のコミュニケーションに意識が向くため、時に目の前の家族や友達との会話すら、ないがしろにしてしまいます。
「いやいや、私はスマホもLINEもそんなに使わないよ」
という人でも、誰かと会話中に着信が来たら、会話を中断してそちらを優先してしまいますよね?人間は変化に慣れてしまう生き物です。
自分自身の生活や人生をふと見つめ直すためには、孤立や孤独という静けさも必要なのかもしれません。誰かと繋がることが必ずしも良いことではないことは、皆さんも経験があるのではないでしょうか。うーん。人と人の繋がりって難しい。
〈繋がりを失った人〉と〈孤独を失った人〉
共通するのは顔と顔を合わせるコミュニケーションの欠落ではないでしょうか。そして、自分の声や手が届くコミュニケーションを行える居場所が人間には必要だと思います。家庭や職場、学校に限らず、自分らしくいられる居場所の中で、温度のあるコミュニケーションを大切にしていきたいこの頃です。
iクラブでは時々、スタッフが集まってこのクラブの未来について話し合っています。そこで目指す将来像のひとつに、『部室のような居場所づくり』という声がありました。
部室で仲間と過ごす時間ってなんだか楽しいんですよね。何を話したかなんて全然覚えてないけど。
iクラブが、運動の前後に立ち寄れる、みんなの居場所であれたら。
さて、ここまで長くなりましたが、タイトルに込めた想いでしたね。私は理学療法士なので普段は病院にいます。なので怪我や疾病がある時ではなくて、お互い元気な姿で住み慣れた場所で顔を合わせられたらいいなと思います。
だから皆さん、
『iクラブで会いましょう』!
さぁ、部室で準備をしたら運動の時間ですよ。
(稲城総合型地域スポーツクラブ「NPO法人iクラブ」壁新聞寄稿記事より)

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