地域NPO法人の広報部として関わる中で、クラブを創立した先輩達の想いや行動力にはいつも頭があがらない。
人生の先輩達と休憩中に一緒にお茶を飲みながら、「先週の地域の運動会の運営が大変だった…」と満足そうに話す姿をみて、いつも活気をもらっている。
ホームページを更新するなかでまたひとつ、そういう想いに触れることができたので、忘れないように記録しておきたい。
創立15周年を迎えて
NPO法人iクラブ理事長 島 啓子
NPO法人「iクラブ」は、スポーツ人口の普及促進を目的とした国の施策に基づき、市の支援を受けて地域住民によって立ち上げられた総合型地域スポーツクラブです。
その施策の具体的な目標は、各市町村に一つ以上、あらゆる年代の方が地域で気軽に運動できるクラブを創設することでした。稲城市では、体育指導委員(現スポーツ推進委員)を中心とする有志によって2009年に立ち上げられ、早いもので今年6月に設立から満15年を迎えることができました。iクラブは設立当初から「必要とされるクラブでありたい」という思いで、住民の求めるものを模索しながら体験会を重ね、一つずつ教室を増やしてきました。現在、総合体育館を拠点として、会員は600名を超え、幼児から高齢者まで様々な運動に親しんでいます。
近年は、市からの要望を受けて実施しているボルダリング事業や、市の委託を受けた介護予防事業なども展開し、参加者層が少なかった30~50代や90代の方々にも広がり、iクラブが市民に少しずつ受け入れられてきたことを実感しています。クラブの運営スタッフは全て住民によって構成され、試行錯誤しながら形を整えてきました。この15年間、それぞれの教室が円滑に運営されることで精一杯だったように思います。
ある程度運営も円滑になってきた今、目的の一つである「運動を通して人のつながりを更に広げていくこと」が今後の課題だと感じています。教室の中だけのつながりを超えて、クラブ全体を一つに繋げることができれば、世代を超えて地域の中でのつながりにも発展していくのではないかと考えています。
その課題解決の試みとして、3年前から駒沢学園の講堂をお借りして発表会を実施してきました。これは幼児から高齢者までが一堂に集い、日ごろの成果を発表する場です。この会を通して他のクラスの様子を知る良い機会となり、昨年はフィナーレを全クラス合同で行うことで一体感を感じることができました。今年度はその輪をさらに広げる場として「ボッチャ大会」を企画しています。
このようなイベントを通しての交流が地域にまで広がり、設立時に掲げた理念の一つである「人の顔が見える街」に近づいていくことを願っています。また、もう一つの課題はスタッフの不足と世代交代です。スタッフとしての活動は大変さもありますが、続けてきたスタッフの原動力は運動をした後の参加者の皆さんの笑顔です。この充実感を次の世代と共有していきたいと思います。
最後に、iクラブがここまで続けてこられたのは、iクラブの理念に賛同し長く関わっていただいている会員の皆様はもちろん、熱心なご指導をいただく先生方、そしてスポーツ推進課はじめ市役所、関係各所の皆様のご理解とご支援の賜物と、深く感謝しております。今後もスタッフ一同、運動が「幸せな人生」に欠かせないものだと確信し、末永く「愛され必要とされるiクラブ」に育てていきたいと思います。
令和6年10月28日
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