Ryomai

エッセイ

趣味という未解決問題

“趣味は何だっけ”問題は定期的に訪れる。5年に1回くらいの頻度だろうか。前々回くらいに「”趣味”という概念で考えてはダメ、”何をしているのが好きか”で考えればよし」と自分の中で結論を出した。そうして解決した事案かと思ったが、また最近ぼんやり...
エッセイ

言葉を探して神経細胞は発火する

しばらく文章を書いていないとすっかり書き方を身体が忘れている。音感がない人間がドレミを気にしたことがないように、言葉を紡ぐことに”いろは”を意識したことはない。そもそも人間の能力に取り扱い説明書もチュートリアルもついていない。酷暑によって各...
エッセイ

未来を手放す勇気

消化しきれない情報量と厳しい暑さに眩暈を覚える。スマートフォンを握りしめたままでいると、いつのまにかフィルターバブルに閉じ込められて心も体も息ができなくなる。例えば、投票に向けて情報を取りにいくと、途端にリコメンドが全て政治にまつわるものに...
読書録

『そして、バトンは渡された』を読んで

本を貸し借りする。母と、義母と、友と。時々、患者と。この本も母から借りて長らく読めていなかったが、返す機会が限られていると読む優先度が高まる。実家に帰省すると手持ち無沙汰になるが、読書はそれを解決するのにピッタリだ。電車で読む時は物語を数行...
活動報告

技師長になりました

この春から、職場に理学療法士の仲間が増えました。そして、私は辞令により技師長に任命されました。常勤PT3名の少数精鋭部隊です。とはいえ、中身は大学時代の友人と、後輩力の高い新しい風に囲まれています。そんな中、私に求められているのは、自ら神輿...
活動報告

執筆報告

理学療法士になって15年目を迎えようとしていますが、この度、理学療法ジャーナルの「視覚ベースの動作分析・評価」という新しい試みの中で、「姿勢の見方」をテーマに寄稿させていただきました。読み手としては魅力的な企画とテーマが、書き手になるとこん...
エッセイ

舞台袖から

2025年2月23日。私は舞台袖に立っていた。目まぐるしく入れ替わる演者を横目に、次の演目でかける曲と舞台を照らす照明の色を何度も何度も確認していた。持参したiPadと音出しアプリを「大舞台」で実践投入するのは初めてで、正しく音が始まるか、...
読書録

『東京都同情塔』を読んで

第170回芥川賞作品の「東京都同情塔」を読んだ。ザハ・ハディト氏の国立競技場案が採用された世界線で、建築家のサラ・マキナはある塔を設計する。それは刑務所としての機能を持つ建築物で、シンパシータワートーキョーと名付けられた。そこに収監されたホ...
エッセイ

アウイエー!!

『ピロウズ解散』仕事後に何気なく開いたニュースが目に飛び込んだ。その瞬間はショックよりも辛うじて驚きが勝った。もしミスチルが解散すると発表しても、ここまで驚かない気がする。なんて比較しようのない事象を想像することで、ライブに行けなかった後悔...
エッセイ

一期一会

「一期一会です。」リハビリを担当している小学生の姿勢をチェックして、背骨がまっすぐに伸びているかを確認していると、その彼女が淡々と答えた。アイドリングもクッションもない間で、大人の質問に的確に応答してくれる。しっかりした小学生を目の前にして...