たりないふたり

エッセイ

これは、ふたりの物語。何者かになりたくて、でも何者になればいいかわからない。だが「こっから」と、もがき続ける、ふたりの本当の物語。しかし断っておくが、友情物語ではないし、サクセスストーリーでもない。そして、ほとんどの人において、まったく参考にはならない。…だが、情熱はある。

日本テレビ系日曜ドラマ「だが、情熱はある」 (#9 ナレーション)より

1人より2人の方が楽しそうだ。そんな単純な理由で、大学時代から一緒にいる友人を巻き込んで、多様で、混沌で、先行き不透明なこの世界をサバイブしていく。

社会に飛び込む助走をつけている時に、周囲と違うことを自覚する。その時にそれが個性だと気付けたら、人生はもう少し簡単かもしれない。

”何か足りない”

気づけば、同じ穴の狢が集まった。潜在的足りなさの自覚から”くず”の会と自称した。

欠落を数え出したらキリが無い。

とある界隈では、”足りなさ”が、熱狂的コンテンツになったり、希望の光となる様をみてきた。そのおかげで、我々も正々堂々とその道を歩いていける。

たどり着いたこの先で、何かを成し遂げたとしても、満ち足りる事はないのかもしれない。

だが、ひとりではない。

足りないから補い合って、自分の価値を確認できる。足りなくて良かった。

世代論なんて今どきだけど、「ゆとり世代」である我々も、今や社会生産性を支える立派な柱のひとつとなった。社会のゲストからホストへと立ち位置が変わり、業種や業界によっては能力やキャリア的にピークを超えて、そこへ抗いはじめている人もいるかもしれない。

失われた30 年なんて言われても、産まれてから、その中で当たり前のように生きてきたから、その原因も責任も、恩恵も弊害も自分達には身に覚えがない。

何かを失うほど、まだ、何も手に入れちゃいない。

これだけじゃやれねぇってわかってる
でもこれしかねぇからこれにかかってる
間違ってる未来でも俺には光ってる
Let it fire!

燃やすこの闘志 その鉄格子
ぶち壊し どうしようもないままが
自分なんだ こっから始まんだ
いつかの童心もって努力し
夢と相思相愛になれるはずなんだ
こっから、こっから始まんだ

SixTONES「こっから」(作詞:佐伯youthK)

こっから、始まるんだ。

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