イズム 〜先輩風編2〜

エッセイ

先輩風の吹かせ方。数ヶ月後のリベンジマッチの記録。

先日、後輩夫婦と再び、居酒屋に行った。

街も張り詰めた緊張が少し解けたように感じる。感染対策による時間制限も、大衆居酒屋に似合わないアクリルパーテーションも無くなったことで私の気持ちも大いに緩んだ。

加速するオートマ車のように滑らかに語り出す自分と、「また”先輩”が始まったよ」と助手席から気付く自分をハイボールにかき混ぜて腹の中に流し込んだ。

何だって上から下へ流れていくものだから、先輩と後輩がいればそれだけで先輩風が自然発生することは仕方がない。と割り切る。

そう、これは自然現象なのだ。

本当に怖いのは立ち止まった自分を基準に他人を見てしまわないかということ。

後輩の選択はまるで自分が過ごしてきた道、そして見過ごしてきた道のような気がしてしまう。

自分だって同じように選んできて今があるのに。

もっと自分の今を大切にしていいだろうに。

”先輩のお話”として随分と大層な事を言った。私の言葉が彼らの中で輝くかどうかは、またこれからの私次第なのだ。

吹かせた先輩風が後輩の背中を、そして自分の背中を押すまで頑張るだけだ。

11月にしては冷たくない風が帰り道を軽くした。

後輩夫婦に幸あらんことを。

今回は先輩検定昇級したかな。なんて考えてたら帰りのホームを間違えた。足取りが軽いのではなく、ただただ楽しい時間に浮かれていただけだった。しばらくはまだ仮合格のままだろうな。

当時のSNS投稿から (2021/11/18)

高い後輩力を持つ、デキる人間を前にしても地に足をつけてどんと構えていたいものだ。

アルコールで予想外に膨れた見栄は、これからの行動で本物にしていくしかないな。

コメント