イズムを燃やして

エッセイ

先月、イズムを探した講演が終わった。

よく知る仲間や、お世話になった恩師、そして初めて見る後輩達に見守られながら、理学療法士としてありふれたキャリアを振り返った。

“立派な理学療法士になりたい”

あの日交わした約束はどれほど近く、はたまたどれほど遠くなっただろうか。

仲間と共にその答え合わせをしたこの日は、永遠の誓いを立てた時のような、永遠の決別をした時のような、私にとって大切な日となった。

昨日は母校の第1回卒業生学術交流会でした。

学科長であるK先生が開会で言った「同門だから何でも話せる」そして閉会でボソッと言った「みんなこの仕事が好きなんだなぁ。まぁ私もそこは負けませんけど」という言葉に全てが詰まっていた1日でした。

節目節目で訪れる母校は実家のような…と書きながら、そうか理学療法士としての”実家”なのかもなとふと気付きました。それは居心地が良いし、守らなくてはな、という思いです。

次男次女である2期生としては自由気ままに、期待されたくないけど頼られると嬉しいといったところでしょうか。

1期から13期まで各期から講師が発表する中で、私のテーマは「イズム」でした。

理学療法士を目指した時、そして母校を選んだ時から、今日までの理学療法士として歩んできた短い10年間の喜びや悩み、そして大切な学びを聴講してくれた皆さんと振り返りました。

資料を作りながら新人時代に書いたブログやSNSの投稿を振り返ることで、あの頃の自分との答え合わせをするように昨日を迎え、そして10年後に再び同門の仲間達と昨日の答え合わせができるように今を大切に積み重ねたいと思いました。

最後に、同級生からの問いかけにあった「イズムとは結局何なのか」そして担任の先生から頂いた「もっと肩の力を抜いて」という言葉に、まぁやっぱり自分はこうだな。これでいいのだ。と思いながら、「きっと10年後も同じ話をしてるだろうね」と友人と笑いながら会場を後にしました。

同門の人をもっと頼ってくださいと言いにいったつもりが、もっと頼っていいんだよと言われているようで、そこにはまだ言葉にできないイズムがありました。

10年という歴史とも言えるほどの時の流れに、自分たちの変化や新しい世代への期待、そしてトップランナーからレースを終えるだろうという言葉にできぬ空気を感じ、漠然とした未来への期待や不安は後輩も友達も、そして教員の方々も抱えていました。

変わり続けることが生き残るすべならば、この10年の変化もこれからの変化も前向きに受け入れて、仲間と一緒に歩んでいけたらいいなと思います。

それでもいつ会っても「変わらないね」とお互い思うところにやっぱりイズムを感じるのでした。

記念すべき第1回目に講師として立ち会えた昨日を、私はこの先も忘れることはないでしょう。

講師を依頼し、運営して頂いた先生方、いつも変わらぬ声がけをしてくれる先生方、そして参加し、聴講してくれた皆さんに感謝致します。これからもよろしくお願いいたします。

講演翌日のSNS投稿から(2023/10/29)

答えはきっとはじめから自分の中にある。

いつだって信念に従ってやるだけだ。

イズムを燃やして。

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