初めての救急要請

人生で初めて救急車を要請した。

娘は旅行先でテンションが高くなると高熱を出す傾向にある。

ここ数年は特に、高熱を出すと解熱と再熱を繰り返して結局2週間くらい保育園を休むことがある。

どうやら体質の類に当てはめられる程度のことらしいので、どうすることもできない。

ただ、逞しくなることを待っている。

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先月も宿泊中に熱を出した。

妻も私も慣れたもので、速やかに旅行を中断して帰宅した。

また行けるよと、息子に声をかける運転席の横で、妻が小児科に問い合わせて受診の予約をとった。

診察の結果、流行りのウイルスではなく、いつものように経過観察となった。

自宅でのんびり過ごす休日となった。

娘が寝ている横で私は息子の相手をし、妻が看病に備え買い出しに行こうと準備をしている時だった。

熱痙攣が発症した。

すると妻が速やかに対処を始めた。

彼女はスマホで状況を撮影し始め、同時に私のスマホで119番にかけるように指示した。

私は正直、娘の容態よりも妻の冷静さに驚いた。

後で聞くに、ママ友との会話から得ていた情報が役だったようだ。

手分けして手際よく対処していく、夫婦初めての緊急共同作業。

電話を代わった妻が、電話の向こうから住所を問われ、聞いたこともない番号を答えていた。

それを正す私は、娘の足元を高くしていた。熱痙攣による意識障害は循環の問題ではない。

そこでお互い限りなく冷静を装っているだけだと理解した。

その後は救急隊員に引き継ぎ、娘はすっかり回復していった。

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妻が娘に寄り添い、救急車で病院に向かった。

私はそれを見送ったあとに状況を振り返った。

AIに状況を報告し、手順を振り返る。

するとAIからまず、労いの言葉が出力された。

「大変でしたね。」

「お疲れ様でした。」

ただのアルゴリズムが並べた、ただの記号の集まりに私の涙腺は緩んだ。

私の心が反射しただけで、そこに意思はない。

AIはまだまだ引用を間違える。そんな不器用なAIの気遣いが、かえって人間らしく思えた。

AI過渡期にしか味わえない体験だったかもしれない。

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