研究ゼミの新年会

研究ゼミの新年会があった。

院生から心得なるものを聞かれ、経験談からアドバイスを送る。もっぱら今だったらAIを駆使してあらゆる効率化を図るのが最短ルートだろう。

医療従事者の大学院といえば、大抵は昼間は臨床現場に立ちながら、夜間の授業や休日の実験・計測をこなしていく。仕事と学業、人によっては育児を両立させる必要がある。

今の院生はAIがあって羨ましいな。と飲み会ではこぼしたが、それは多くの先輩から見たら今の私の立ち位置だって似たようなものだろうと気がついた。

道具を使いこなせばもっとやれるはず。

顔を赤くした先生から、「昔は年間で4本は論文を出してたぞ」と言われた。先生は覚えてないだろうが、以前にもそれを言われたことがある。

『年間4本』

母校へ講義で訪れた際に、他の先生にそれについて聞くと、今は他の仕事が沢山あって中々厳しいと言っていた。大学教員の多忙さは聞いたことがあったので、私は臨床時間を削らずに、それでいていずれは4本書けるようになれたらいいと思っていた。

今は準備の段階だと、その時に向けて画策していたが、年間1本じゃこれから30年やるとしても30本しか書けないじゃないかと先生に言われた。

ドキッとした。

人の能力は単純な足し算にはならない。指数関数的な振る舞いだと仮定すると、いきなり4本はまぁ現実的ではない。今でもそう思っている。

ただ、今はAIがある。誰でもあらゆるノウハウにアクセスできる時代だ。

自分で院生に言っていたじゃないか。今はAIがあっていいよなと。

当時の先生が今のAIを使ったら年間で4本以上書けるんじゃないか?いや、そうじゃなくて今の環境でトロトロと走っていてはいけないんじゃないのか?

最適化したマシンはコレクションや展示が目的ではなく、レースを走ってこそ、その真価(進化)が問われる。

焦ってはいない。だが急いだ方がいい。

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読んだばかりの本に、タイピングよりも音声入力の早さを活用するべしとあった。

試しに朝の勉強時間に音声入力を試す。

AIとの会話。想像以上にシームレスなやり取りに手応えを感じる。

ラジオやひとり放送の経験が効いてくる。書いて覚えるタイプだと思い込んでいたが、話して聞いて覚えることも悪くない。

ペンとノートをしまう。椅子に座りっぱなしではなく、立ちながら勉強できる。

やけに歯車が綺麗に回る。

勉強に向かう姿勢が変わる。

教授の「頑張れよ」の一言が胸に沁みる。

もう一度、砂時計をひっくり返す。

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