消化しきれない情報量と厳しい暑さに眩暈を覚える。
スマートフォンを握りしめたままでいると、いつのまにかフィルターバブルに閉じ込められて心も体も息ができなくなる。
例えば、投票に向けて情報を取りにいくと、途端にリコメンドが全て政治にまつわるものに置き換わる。素人でもわかるほど、情報戦が加速している。信じるもの、信じたいものに揺さぶりをかける外圧を感じる。
政党、党首、政策、支持者。その全てが相思相愛になることはない。個人的には右か左かよりも、ヒトがヒトたらしめている能力を放棄しないかどうかにかかっている。
インフォメーションヘルスを保つための時間的コストがどう考えても割に合わない。健全で正しいものを探しているうちにまた新しいトレンドの波に攫われる。
いっそスマートフォンを真っ二つに割ってやりたいが、もはや外部器官として寄生するコイツは自分自身の一部であるから厄介だ。せめて身体感覚までは奪わせないように目を光らせる。
勝手に情報戦に巻き込むなよ。
国、企業、家庭、個人。大切にしたいものは何か。浮き沈み、入れ替わるプライオリティは情報の民主化によって世代間よりも個人間で異なることが可視化された。
分断や単純化は人間の脳に備わる本能だとまずは認めよう。その上で知性をもって抗おう。
満たされた衣食住を基盤にして、健康的な運動と栄養と充分な睡眠を心掛ける。その上でどんな情報を摂取したいのか改めよう。
膨大なインプットはAIには敵わない。大切なことは得るために何を感じ、何を考え、そして何をするかだ。本能のままでは愚かすぎるが、便利すぎる現代ではその本能さえも失われている。そんな状態で私たちはこれから新しい時代を迎えようとしている。
閉塞感に過緊張している頭と身体。そしてそれは個人に限らず、企業や地域、そして国でも同じことが起きているような気がする。
夏の分断は盲目から始まる。ヒトは緊張すると視野が狭くなる。
体を満遍なく使って深呼吸するために、固く握りしめた未来を一度手放そう。
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