エッセイ

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お守り

いつから聴いてきたのだろうか。子供の頃、家族と出かけた日曜日の帰り道。夕方の高速道路を走る車内で、流れてくるそれに耳を傾けていた。電波の向こう側では「爆笑問題」が何か面白そうなことを話していたが、何を話していたかは全く覚えていない。ただ一方...
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出来ることから

2024年。今一度、自分に出来ること、やるべきことを確認する。目を背けたくなる程の悲しい出来事に対して、個人に出来ることは限られている。限られてるからこそ、大きな出来事をどうにか受け止めて、そして小さくも個人に出来る行動に繋げていくことが大...
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滑走路を走るあの飛行機のように

なんとなく保育園生活は親子にとっての日々をイメージするが、小学校生活はもう完全に子供のものであるという認識がある。少しずつ手を離していく。少しずつ手が離れていく。数ヶ月前に青葉混じる桜を一緒に見た息子が、もうすぐ小学生になる。それが未だに信...
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イズムを燃やして

先月、イズムを探した講演が終わった。よく知る仲間や、お世話になった恩師、そして初めて見る後輩達に見守られながら、理学療法士としてありふれたキャリアを振り返った。"立派な理学療法士になりたい"あの日交わした約束はどれほど近く、はたまたどれほど...
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イズム 〜その時を待ちわびて編〜

私達の存在が誰かにとっての希望となり、灯りとなり、その足元を照らせるように。そのために学び、教え、繋がり、受け継いでいく。私のGPSナビには星野源とオードリー若林がいて、いつも私に現在地と行先を示してくれる(ナビゆえ支障が出ることもしばしば...
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イズム 〜友達編〜

友達とはたらく未来を想像したことがあるだろうか。少なくとも私はない。しかし、事実は小説よりも奇なり。私は今現在、友達と働いている。大学時代に友人と初日の出をよく見に行った。と言っても実際は数回だが、よく行った気がする。レンタカーを借りて、大...
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イズム 〜師匠編〜

今日日、師匠なんて単語を会話の中で使う人はいないが、とどのつまりメンターのことで、最近の迷える子羊を導く系の本には「メンターを持て!!」と堂々と書かれている。技術職だから"メンター"というよりは"マスター"か、と思うが、やっぱり"師匠"の方...
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イズム 〜臨床最前線編〜

実習でお世話になったK先生のことを少し話そう。渡航先として九州へ渡った私を指導してくれたK先生は当時既に、県士会会長という肩書きもありながら、病院のリハビリテーション科をまとめ、休日には勉強会を開催し、そして何より患者さんに好かれ、寄り添う...
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イズム 〜新人時代編〜

2011年の4月に理学療法士になった。理学療法士として歩み始めたあの頃を思い出す。同期はいなかったが、先輩に恵まれた環境で、仕事だけでなく、社会人としての基本も学んだスタート地点である。講演会で自分の過去について語るため、新人時代に書いてい...
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イズム 〜教授の最終講義編〜

知のバトンを落とさぬように握り締めたい。映画主題のような荘厳さがある。モニター越しにそう思いを馳せてしまうのはM先生だからこそである。学部時代から大学院までお世話になったM先生の最終講義を先月、拝見した。授業資料を見返せば見返す程、教えて頂...