エッセイ

白紙があれば

白い紙を机に広げる。好きに描いていいんだよと言われると、その無限の可能性に思考が停止する。「”何でもいい”が1番困る」のは子供の頃からよく知っている。何を描こうか。そもそも私に何が描けるのか。人生が選択の連続だとして、それならば自分で決める...
エッセイ

観葉植物はじめました

唐突に模様替えをしたくなる性分だ。ハードウェアもソフトウェアも。生活習慣も例外ではない。朝起きてから夜眠るまで、何をしようか。整理しては改善点を見つけ、更新する。その周期的な気分転換によって心身の自己満足に至ると、「観葉植物を育てたい」とい...
エッセイ

小さな発明家

息子の創作意欲はいつも爆発している。帰宅するなり手も洗わずにLEGOを触り、父か母に怒られるところまでがお決まりのパターンだ。帰り道で見た車や重機を再現したり、絵本や図鑑に書いてある恐竜をあっという間に甦らせる。0から1に、2次元から3次元...
エッセイ

文字を読む。文字を書く。

世間ではChatGPTが明るいが、私は英語を学ぶために、せっせと翻訳をしている。文にして、1日5文いくかいかないかのスモールステップ。この本の翻訳はいつ終わるのか。機械学習を前にしたら、この過程も学びも無駄なものに映るのか。見通しは仄暗い。...
エッセイ

青葉混じる桜

春。桜まつりがやっている。すくすくと、緑色の成長過程を晒す桜を少しばかり気の毒に思う一方で、何が悪いのかと言わんばかりの悪気ない態度を好ましく思う。そうさ、中途半端で結構さ。何事も予定通りに物事を進める事は難しい。何をしても修正と妥協の連続...
エッセイ

10年後に答え合わせをしよう。

心許なく垂れる紐を手に握る。どれほど長いのか、どこへ延びていくのか。確かめたくて繰り返した試行錯誤が折り目となって跡に残る。どこまで数えたっけ。今を見失わないように、また一つ結び目を作る。不吉なおみくじを括るようなその仕草に、決意表明とは、...